ストレングスモデルとは

ストレングスモデルは、1970年代にカンザス大学のチャールズ・A ・ラップ教授らが提唱した支援の考え方です。障害当事者のストレングスに着目し、本人のリカバリーに向けて伴走することをその核としています。

ストレングスモデルではその人の強みを「性質・性格」「才能・技能・自信」「環境のストレングス（資源・社会関係・機会）」「関心・熱望」の4つのカテゴリーを元に見出していきます。

ストレングスとは

ストレングスは日本語で「強さ・強み」「能力」などと訳されることが一般的です。

従来の医療・福祉の世界では障害をお持ちの方を支援する際の視点として、本人ができないことや困難を抱えていることに着目し、それをどう治療したり支援したりするかといったことが重視されていました。

しかし、既にあるもの・できること・利用できるもの＝ストレングスを活用して地域で暮らしていくことを考えるべきではないのか、という考えに基づき生まれてきた考えがストレングスモデルです。

出来ない事を出来るようにしていく視点も、大事な時期もあります。成長期の子供の時とかは、可能性に蓋をせずに様々な事にチャレンジする必要性もあります。学校の先生や、各種指導員や、コーチ等、道を極めていきたいと敢えて厳しさの中に身を置く方々もいらっしゃいます。ですが多くの方の場合、成人を迎えて自分の人間性がある程度固まった時に、その中で自分の持っている強みや好きな事を生かす事の方がとても大事で、その方の人生が豊かになると感じます。

ストレングスモデル6つの原則

チャールズ・A ・ラップ教授は、ストレングスモデルについて6つの原則を挙げています。

① 精神障害者は回復し、彼らの生活を改善し質を高めることができる。

障害を持ちながら希望を持って生活を営んでいくという意味での回復＝リカバリーを念頭に置いた支援を行います。

② 焦点は病理でなく個人の強みである。

当事者のできないことや苦手なこと（病理）に焦点を当てる支援を問題解決モデルと言いますが、ストレングスモデルでは強みに焦点を当てます。

③ 地域は資源のオアシスとしてとらえる。

医療機関や福祉施設といった直接的支援の場だけでなく、当事者の住む地域や縁のある地域に広くサポート資源が眠っていると考えます。

また、発病前にその方が大事にしてきた友人関係や仕事、居場所などの関係を失わないようにすることもストレングスを育てる支援と言えます。

④ クライエントは支援プロセスの監督者である。

医療職や福祉職がクライエント（障害当事者）のリカバリーの方向性を定めることなく、クライエント自身がこうしたいという希望を見出し、医療職や福祉職はそこへ向かうサポート役として存在します。

⑤ ケースマネージャーとクライエントの関係が根本であり本質である。

病状は必ずしも順調に回復する訳ではなく、一進一退しながらリカバリーを目指していくのが現実です。ケースマネージャー（支援者）がクライエントのリカバリーを信じ伴走し続けることが大切です。

⑥ 我々の仕事の場所は地域である。

ストレングスモデルでは当事者が医療機関や福祉施設のみを居場所とせず、地域の中で暮らしていくことを目指します。そのため支援者自身も地域に出向いていく姿勢を持つこととしています。

6つの原則の中でも2つ目の「焦点は病理でなく個人の強みである」の原則はまさにストレングスモデルの特徴そのものを表していると言えるでしょう。

ただしここで1つ注意しておかなければならないのは、ストレングスモデルは障害をお持ちの方のリカバリーに寄与する一方、困難に配慮し対応していく医療モデルの視点も合わせて必要であるという点です。

どちらもバランス良く備えた支援が、結果的に当事者の生活へのモチベーションを高めることと地域の中で暮らしていくことの実現を助けてくれるのです。

例えば、右腕を切断された方がいた場合に右腕を治すことはできませんよね。
そうした方々に対して、医学モデルでは右腕がなくて、一人では「できない」から支援をするという発想になります。

それに対して、福祉業界（発端は精神障害者への支援）では、「できない」ことに着目するのではなく、「できる」ことに着目しようという考え方が生まれました。
それが「ストレングスモデル」です。

先ほどの右腕がない方で考えると、左腕で「できる」ことがある、少しのサポートで「できる」ようになる、補助器具を使えば「できる」ということに着目するということです。

このストレングスモデルを提唱したチャールズ・ラップは、ストレングスモデルの6原則を説明しています。

①障害者は回復し、生活を改善して質を高めることができる
②焦点は病理でなく個人の強みである
③地域は資源のオアシスとして捉える
④利用者は支援プロセスの監督者である
⑤相談援助者と利用者の関係が根本であり本質である
⑥相談援助者の仕事の場所は地域である。

この原則、「ストレングス」は個人がもっている能力だけに限っていません。
その方が生活している地域などの環境も「ストレングス」であると考えるのです。

ストレングスモデルを用いた障害者支援

ストレングスモデルの考えは近年の障害福祉の取り組みの中で積極的に活用されています。

IPS（援助付き雇用）

IPSとは「Individual Placement and Support」の略で、精神疾患・精神障害を持つ方1人1人にあった働く機会を提供し支援する方法です。「IPSモデル」「IPS援助付き雇用」とも言われます。

IPSでは職業探しの際に個人の好みを尊重することを原則としており、ストレングスを伸ばしながら障害当事者がモチベーション高く働き続けられるよう支援を行います。

ACT（包括地域支援プログラム）

ACTは「Assertive Community Treatment」の略で、比較的重度の精神障害を抱えた方が地域の中で安心して暮らしていけるよう、精神科医・看護師・ソーシャルワーカーなどがチームで支援を提供するプログラムです。

ACTにおいても、どんなに重度の障害を抱えている人にも自身の意志やそれを実行する権利があり、それを尊重することを重要な概念としています。

まとめ

良い点を見つけるのは、支援員としての大切な視点でしょう。

その視点がベースにあっての支援員の業務になります。

それが嫌なら、司法試験に合格して裁判官になればいいのです。(笑)

福祉には、はい、いいえだけでは、割り切れない世界観があります。

そして、我々、福祉サイドの人間は、利用者の意見に(意思決定支援に)いつも基本的には、ハイと肯定でいたいです。

実際は関係機関の思惑も入り（保護者も）、非常に複雑です。(笑)

利用者の肯定も、否定も、無理くりも、現場のスタッフとしては、一度は受け止めてあげながらも、やっぱり難しい場面も多々あります。

上手に生きる事は、利用者もスタッフも誰もが出来ないです。

でも、関わる利用者にはいつも、支援員の世話人は味方でありたいとは思っています。支援員にも様々な種類があります。職業サイドの支援員もいますし、行政サイドの支援員もいますし、病院や施設サイドの支援員もいますし、生活サイドの支援員もいます。それぞれにアプローチの仕方が若干違いますが、みんな違ってみんないいです。(笑)　簡単に言えば仕事に行くときはONですし、家にいる時はOFFですし、そのバランスが人生そのものです。ですが、そのバランスが崩れる時は誰にでもあります。その時は、GHは一時避難所としての機能もありますので（基本、GHは完全OFFです）、回復するまでゆっくり過ごしてもらえればと思う時はあります。次に羽ばたく為の休憩の止まり木です。GHは完全OFFの中での支援です。　生活の場の中で、常に緊張していたら休まる事が出来ません。大抵の事は、なんくるないさーと大目に見ています。甘ちゃんで、適当で、申し訳ないです。(笑)　いい意味で、良い塩梅です。　GHサイドの支援員は生活のサポートを中心にして、世話人と呼ばれることが多いです。そして世話人は、ご家族の代理で代わりでもあります。とうちゃん、かあちゃん、兄や姉や妹や弟や、様々な形の関わり方はありますが、その核心は愛情に満ちた家族の型が世話人の有りようだと思います。家族の距離だと近すぎるからこそ喧嘩にもなるし、家族の形だからこそ、すぐにサヨナラで終わりではなく（気に入らなければすぐ縁を切るといいますが、もしくはその人から離れていくか。縁とはそもそも切る事が出来ないからこそ縁です。でも現実世界、時に離れる事は妥当な選択の一つであり推奨します。）家族や一緒に生きていく場合、リカバリーを繰り返しながら絆は深くなっていきます。なんの問題もない、家族はいないです。喜怒哀楽の感情を重ねあいながら、怒りあいながら、喧嘩しあいながら、傷つきあいながら、許しあいながら、讃えあいながら、喜びあいながら、悲しみあいながら、支えあいながら、甘えあいながら、笑いあいながら、だらしなく過ごしあいながら、認めあいながら、元々赤の他人の人間の、一つ一つの命が時間と共に家族になっていくのだと思います。基本、家族とは、お前を離さないとう覚悟と愛でしょう。もとい、それが出来るのが親ですし、世話人なのかなと、それと地域の世話ききなどの方々なのかなです。

強みを見つけるとは、弱みとも向きあう事にもなります。

簡単には、その弱みを解決はできないです。

だからこそ、コツコツと気長に取り組んでいく事が大切になりますし、強みをさらに強くしていく事が、大切な支援員としての、世話人の仕事だと思います。それは、単にその方の個人的な能力を伸ばしていきましょうだけに限らず、利用者、健常者、障害者関係なく、人の一番の強みとは、信頼出来る愛し愛され頼りに出来る、時に甘えたり、人間関係の構築にあると確信しております。感情の動物である人間は、愛し愛されてしかより良く生きる事が出来ません。世話人の家族としての関わりであったり（疑似家族でもええじゃん、里親でも、愛だろ、愛。愛情を与える方が実は、一番救われていると思います。だから、基本相手を愛したい。他人にした行為や行動を頭脳のある人間は反芻するのが定めなのです。他人にした行いを、一生背負う定めになります。だから、縁切りたいと思った人を一生追い続ける事になりますね。）、地域社会での信頼出来る人々の関わりであったり、それは地域の中の行きつけの店や、八百屋のおばちゃんとの挨拶の会話や他愛のないやり取りや（八百屋に一緒に行って購入してこんにちはや、ありがとうを言う練習を利用者に学習させ一緒にするのが世話人の仕事の一つだと思います。GHサイドの支援になりますが。(笑)）、職場での仲間としての関わりであったり、愛情のある人々との出会いと支えが、ご利用者様の人生の一番の強みになります。それが地域共生社会になります。そして、福祉の次の課題としてあげられている地域連携推進会議にも繋がってきます。個が、家族や友人や心ある福祉職の支援員の中で支えられ、それを地域全体に広げ、地域の輪の中でお互い同士をさらに少しづつ支えあい、さらにそれが広がっていけば、制度や国同士も、より良く豊かになっていく事に繋がっていきます。現在の福祉の主流のミクロ（個人）、メゾ（地域）、マクロ（制度や国）の視点の様式展開になります。

LOVE＆ＰＥＡＣＥです。　目の前の一人を良くすることが、世界を良くする。その使命が、フローリッシュハウスのスタッフにはあります。でもやっぱり、少しだけよ、にします。(笑)　無理は続かないから。気楽に、善意の連帯を繋げていきます。繋げる想いこそが、LOVE＆ＰＥＡＣＥです。

あなたの、ええところ、そこにフォーカス出来る愛情のあるGHフローリッシュハウスのスタッフと共に、その暖かな空間の人間関係の中にご利用者様を導きながら癒しながら、生活の場の中なので、リラックスを中心にして、家族のような暖かみの中で、地域社会とも繋がりを持ち、フローリッシュハウスでお互いに認めあいながら、ご利用者様がより良い人生を生きる為のお手伝いのお世話やおせっかい(笑)、世話人という家族のような愛情のある支援を、スタッフと共々に向きあって、今後とも取り組んでいきたいと思います。

えーやん、フローリッシュハウス。(笑)　

By スタッフ　Ｍ