ジャーメインが提唱したソーシャルワークの形「生活モデル」

ルールル、ルールル、ルールルールー、ルールールー

ようこそ、フローリッシュハウスの部屋へ。(笑)

社会生活で様々な問題を抱えている人に、多彩な支援をする「ソーシャルワーク」。

現在のソーシャルワークは、アメリカの心理学者であるジャーメインによって生み出された「生活モデル」という考えが基本となっています。

炊飯ジャーは米を炊く時にメインですよね。ジャーメイン。(笑)

現在のソーシャルワークは、支援を必要とする人の身体的・精神的な「個人の事情」と、生活する「環境の状態」それぞれの関係に着目してケアプランを考えます。

このような形になったのは、1980年にジャーメインが提唱した「生活モデル」という理論をもとにしたソーシャルワークが主流になったためです。

ソーシャルワークとは、困難を抱えている人に、どのようなサポートが必要かを考え、それぞれの事情に合った福祉サービスを提案し、生活しやすくなるための支援をすることを意味します。

人は生きていくなかで様々な困難に直面することがあります。たとえば、「失業・障害・疾病・要介護・子育て・虐待」などの問題です。このような問題から、生活ストレスを抱えたり、生活に対して不安になったりします。問題の内容からわかるように、支援の対象は「子ども~高齢者まで」多岐にわたります。

様々な「生きづらさ」を感じる人に対して、カウンセリングを行ったり社会福祉サービスを使ったりして、その方が安心して暮らせるようにサポートすることが「ソーシャルワーク」になります。

「生活モデル」が登場するまでは、「医学モデル」と呼ばれるタイプの社会福祉支援が行われていましたが、様々な問題があり上手く成果が出ないことが多かったようです。

ジャーメインが提唱したソーシャルワークの形「生活モデル」とは?

生活モデルとは、『システム理論・生態学理論をソーシャルワークに取り入れ、人と環境の交互作用によって問題の解決を目指したものとなります。

「システム理論」「生物学理論」「人と環境の交互作用」とは?

ジャーメインが提唱した生活モデルは、「システム理論」「生物学理論」「人と環境の交互作用」という3つの理論が成り立っています。

「システム理論」

社会を動かすシステムを「個人・集団(グループ)・地域(コミュニティ)」といった具合に分断して捉えるのではなく、それぞれがお互いに影響し合いながら一体として存在していると考えるものです。

「生物学理論」

人が抱える問題について、その問題が「人間と環境の間で起こる摩擦によるもの」と考える理論です。

「人と環境の交互作用」

「交互作用」は、互いが影響を受け、互いが変化する関係のことです。主に統計学などで使われる言葉です。

福祉でいう「人と環境の交互作用」は、「環境」は「個人」に影響を与え「個人」を変える存在であるが、「個人」も自ら「環境」を変えられる存在であるという意味です。

生活モデルソーシャルワークとは、問題の原因を「個人か社会(環境)か」と分けて考えるのではなく、人と環境がお互いに作用し合うものとしてとらえ、支援者(ソーシャルワーカー)が両者の接点に介入して支援を行うソーシャルワークということになります。

「生活モデル」の特徴① 「個人」だけではなく「環境」にも介入する

「生活モデル」ソーシャルワークの1つ目の特徴は、「個人」だけではなく「環境」、または「個人と環境の両方」に介入し支援をする点です。

「生活モデル」が登場するまでは、「医学モデル」という、人が抱える問題の原因を『人間の生活(環境)とは関連づけない』ソーシャルワークが主流でした。このことから、支援の対象を「個人」から「環境」にまで広げたことが、「生活モデル」の大きな特徴であるといえます。

「医学モデル」の特徴とは?「環境」への介入の必要性

「医学モデル」は、個人に対しての「診断」「治療」「回復」に重点をおいた社会福祉支援の形で、その大きな特徴は、「人が抱える問題はその個人のどこかに欠陥・歪みがあるため」と考えることです。問題の原因の追求をする際には、個人の「病状」を重視し、「環境」には介入しません。

「医学モデル」のデメリットとして、「メディカルプア(医療貧困者)の存在」「治療をしたいが外出できない」「病院が1つしかなくて治療が受けられない」など、支援を受けるまでにそもそも到達できない、医学モデルの「治療」メインの支援では救われない人がいることが挙げられます。

このことから、支援は人の「生活(環境)」にまで踏み込むべきなのでは?と考えられました。

その結果、人が「環境」に対して適切に対応できるよう援助し、「環境」の側も人のニーズに応えられるように働きかける支援(「生活モデル」)が考案されました。

「生活モデル」の特徴② ソーシャルワーカー主体ではない「問題解決」

「生活モデル」ソーシャルワークの2つ目の特徴は、「支援者(ソーシャルワーカー)が問題を解決するわけではない」という点です。問題の解決は、利用者(困難を抱える人)自らの「対処能力」を高めることによって行われます。

「対処能力」とは?

対処能力は、「人が生活(環境)と共存する力」のことで、人が問題を解決する力です。問題を解決するには、『関係を良好に保つ力』『肉体的な力量』『自立心』『自尊感情』などが必要です。「生活モデル」ソーシャルワークでは、自助努力では解決できない問題を抱えた人に対して、その人がより良い生活に向けて自ら努力していけるよう支援者(ソーシャルワーカー)が個人の「対処能力」を高める支援をすることが重要です。

・「自尊感情」を高める精神的なケアが求められる

「医学モデル」が上手くいかなかった原因の1つに、「徹底した診断主義」による『自尊感情』の喪失があります。例えば、「勉強ができない」とか「派手なファッションをしている」という悩み(問題)を抱えている人がいるとします。

悩んでいる人に対して「なぜ勉強ができないのか?」「なぜ派手なファッションをしているのか?」と原因の追求をしていくと、徹底して分析され追求された人は「自己否定」を感じ、力をなくし問題の解決に向かわないということが起こりました。

「生活モデル」では、困難を抱える人個人の自己肯定感を高めることによって、その人が現実を直視して自ら支援のプロセスに参加できるように働きかけていくことをケアの柱の1つとしています。ラポール作りを優先して、信頼関係を築いた先にしかより良い支援はないです。

まとめ

ソーシャルワークは現在、「介護・医療・精神科医療・保育・学校」など様々な分野で行われ、「医療ソーシャルワーカー(MSW)・精神科ソーシャルワーカー(PSW)・生活相談員・保健児童ソーシャルワーカー(児童福祉士)」など、多くの方がソーシャルワーカーとして活躍されています。

困難を抱えている方が、様々な環境のなかで「自立」し、その人らしい生活を送れるように「個人」「環境」の両面から社会的援助をしていくことが大切ですね。

結局

ご利用者様は、

医学モデルだけでは、難しい所がありまして、勿論服薬による生活リズムの整えは必要です。医学の視点はあくまで緊急時対応ですので、そこにずっと住むという見解ではないです。特に近年の精神科病棟はそうです。ですので、プラスして生活モデルの視点の必要性があるという事です。

その受け皿が、グループホームのGHであったり、福祉なのかなとは思っています。

フローリッシュハウスのスタッフは、愛情の精神でご利用者様の人生を少しばかりですが背負わせてもらいます。全部背負ったら、共倒れになりますので、少しだけよで。少し愛して、長く愛してで。やらしてくださいませ。(笑)

そして、GHは関わるスタッフ次第で、良くもなるし、悪くもなります。結局、人次第です。

一番は間違いなく、そこを担当する世話人次第で決まります。

ハード面で心ある経営層がいくら頑張っても、そこを実際に運営するソフト面の人材に心がなければ、人を支える事は絶対に出来ないです。(現在の福祉は高齢者福祉分野を筆頭に人手不足で、そこに人がいてくれるだけで助かるという場面は、ある程度は必要で理解はしております。)逆はあるかもしれません。ボロボロのハード面、簡単にいえば、ボロアパートや一軒家でも、支えるソフト面の支援員に心があれば人を助け支える事が出来ます。

完璧な人間は、利用者もスタッフも勿論いません。

だからこそ、お互いに成長して、お互いを支え補完していきたいと思っています。

ご利用者様は、問題を抱えた当事者です。それを支援する為に仕事を頂けているのが、支援員のスタッフです。ですので、当事者のご利用様に改善していかなければならない問題点を伝えないまま、陰で問題点だけ話していては正しくはないです。形がよくねぇです。(笑)

ラポール関係をしっかり構築して、(勿論、時間がかかります、その為の歩み寄るのは支援員の仕事です。相手の好きな事を肯定して、好かれる努力をして、それからですよ、直面化(その人の抱える問題点です)の苦言をしっかり伝えて、)世の中で生きていく中での、問題点の改善を一緒にしていこうよと愛情をもって、諭すべきでしょう。その努力を何もしていないままの支援員の直面化や問題点の指摘だけでは職務怠慢だと思っています。問題が起こる前から、関わる利用者とは出会った瞬間からラポール関係を構築していく努力は支援員の方にないといけません。問題が起こってから動いてもすでに遅いのです。それは、過去に福祉ではスタッフに指導員という形態がありまして(問題点の行動をあげつらい、課題の改善の指導を行っていくという事です)、今まで散々してきたことで、それでは駄目だという事で現在の支援員の職務の形が現在出来上がっています。世の中の全ての業種は、フィードバックを繰り返しながら、様々な形態や福祉も成長していきます。感情面が多くの場面で想定される(人対人なので)福祉の世界でも、プロセス、過程の科学的介入が進み、支援員の立ち位置の明確な介入の仕方が浮かび上がってきております。アセスメントを取って、プランニングをして、モニタリングを行い、個別支援計画を立てていく(それを年度で繰り返していきます)。簡単にいうと、ご利用者様に関心をもって、仕事として割り切ってで良いので、好きになる努力をして味方で良いです(ラポール関係を構築して)、より良い人生のお手伝いの支援を一緒に取り組んでいくという事でしょう。せめて担当のご利用者様にはそうするべきです。一人の支援員や世話人として必須な意識だと思います。出来ない方や、力量のない方も、勿論います。その方はその利用者の担当を外れれば良いのです。対ヒューマンは相性もありますからね、それに事務が得意な方もいます、それの配慮をするのが仲間として大切で大事な事だと思っています。全員縁ある方を、すべて生かせるように仲間と一緒に取り組んでいきます。

一緒の場所で過ごすのは(GHを含めて)、縁で出会った家族ですよね。血縁はもはやどうでも良いのです。縁故だと覚悟を決めています。縁起の思想かもしれませんが、世の中に偶然の出会いは無く、すべからく必然の出会いで、我々は出会うべきして出会った関係性なのかもしれません。

その覚悟が、フローリッシュハウスのスタッフ全員にあります。

でもやっぱり、少し愛してにしましょう。(笑) 続ける、継続していく事が、とても大切な大事な事です。

福祉のご利用者様を支援させてもらって、心が満たされていく事を現場でいつも感じております。情けは人の為ならず。ありがとういう言葉も、スタッフ間や利用者対応でもたくさん頂ける職場です。

苦しい時も多々ありますが、楽しい仕事に就けて、ありがたい事です。周りのスタッフや経営層やご利用者様に感謝の日々です。

by スタッフ M

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